学校歯科のご紹介
学校で歯の健康診断を行っている歯医者さんを学校歯科医といい、歯・口の状態が健康かどうか調べています。
主に毎年6月ごろに学校歯科健康診断を行いお口の病気の早期発見、早期治療を推進しています。さらに、歯みがき指導、歯科保健講演、歯科保健相談を実施して、子供たちの歯科疾患の予防と歯科保健の知識向上をサポートしています。
学校歯科健康診断では、どんなことを調べているのでしょう?
歯がむし歯になっていないかだけではなく、みなさんのあごの関節の状態や歯並びやかみ合わせがきちんとしているか、お口が清潔になっているか、歯肉は健康かなどを調べ、次の①~③にふるい分けしています。
- 健康な状態の場合
- 少し心配なところがあるので、学校で保健指導を受けながらしばらく様子を見ていく必要がある場合
- かかりつけの歯科医にみてもらうほうがいい場合
歯医者さんに行くことをすすめられた人は、できるだけ早く歯医者さんでみてもらいましょう。健康だった人は、今までどおり、規則正しい食事と歯みがきをつづけるのと同時に、定期的にかかりつけの歯科医や近所の歯科医にみてもらい、お口の健康維持のための観察や指導を受けることもとても大切ですね。
健診結果が届いたら…CO(シーオー)って何?
「うちの子、歯科健診でCOという結果をもらったけど、これってむし歯なの、それとも違うの?」要観察歯(CO)は、いまのところう蝕(むし歯)とは断定できませんがう蝕初期病変の疑いがあり、お口の中の環境が悪ければう蝕に移行する可能性が高く、逆に良ければ健全歯にもどる可能性のある状態の歯です。
最近では初期う蝕に大きくかかわりのある、歯の表面での脱灰と再石灰化の様子が解明されると共に、フッ化物の応用等いろいろな形で行うことにより健全歯への再生が明らかになってきました。そこで健診によるCOの検出後早期にかかりつけ医を受診し経過観察をすべきと考えます。どうか学校歯科健診の使命を御理解いただき、受診勧告書が届きましたら、早期に歯科医院を受診してください。
最近の傾向…むし歯について
毎年実施されている文部科学省の全国的な調査によると、中学校におけるむし歯のある人の割合(むし歯の被患率)は年々減少しており、昭和23年度の調査開始以来、令和元年度の34.0%(兵庫県は32.9%)は過去最も少なくなっています。
中学1年生(12歳)のみを調査対象とした永久歯の1人当たりの平均むし歯等の数は、令和元年度には0.70本(兵庫県は0.60本)と減少し、過去最低となってきています。
中学校におけるむし歯(う歯)の被患率等の推移
このようにむし歯のある人が少なくなってきた要因としては、
- ご家庭と学校の連携した情報交換
- 口腔衛生への実践と意識の向上(就寝前の仕上げ磨きの習慣など)
- フッ素入りの歯磨き剤の普及
- かかりつけ歯科医をもち、定期的な管理(メインテナンス)のための受診
などが考えられます。
早期発見・早期治療は歯と体への負担が少なくてすみます。また、傾向として小学3・4年生の方は永久歯への交換の時期でもあり、特にむし歯には注意が必要です。
お口の清掃やおやつのとり方に気をつけていただくことが大切です。
特に就寝前の歯磨きと仕上げ磨きは効果的です。
最近の傾向…歯肉の状態について
歯肉の状態を学年別にみると、歯周疾患及び歯周疾患要観察者の割合は学年が進むにしたがって高くなる傾向です。